採用ブランディングとは?
「入社したい」という
「期待感情」をつくること


新卒採用活動に取り組む中で、
• BtoB企業で学生の認知がない
• 母集団形成が難しい
• 応募は集まるが、志望度が低い
• 内定辞退が多い
• 入社後のギャップが生まれている
といった課題を感じている企業は少なくありません。
こうした状況の中で注目されているのが「採用ブランディング」です。
一方で、「採用ブランディングとは何か」が十分に整理されないまま、採用サイトの制作やコピー開発など、施策の話に進んでしまっているケースも多く見られます。
この記事では、ブランドデザイン社が考えるブランドの定義を土台に、新卒採用における採用ブランディングの考え方を整理します。

私たちは、採用ブランディングを次のように捉えています。
新卒学生(求職者)が、
企業の「らしさ(魅力・強み)」にワクワクした期待感情を抱き、
「この会社に入りたい」と思っている状態をつくること。
採用ブランディングのゴールは、ビジュアルを整えることや、キャッチコピーをつくることではありません。
新卒学生の頭の中に、「この会社で働きたい」という期待感情が自然に育っている状態をつくること。
それが、採用ブランディングの本質です。
採用ブランディングという言葉から、
採用サイトのリニューアル
キャッチコピーの開発
SNS運用
といった施策を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、これらはすべて結果として表に現れるものにすぎません。
施策の前に考えるべきなのは、もっと根本的な問いです。
どんな新卒学生を採用したいのか
その学生は、何に不安を感じ、何を求めているのか
自社の「らしさ」は、その期待にどう応えられるのか
採用ブランディングとは、こうした企業の「らしさ(魅力・強み)」を整理し、新卒学生にとって意味のある文脈で伝えていく取り組みです。

採用ブランディングでは、新卒学生を主語に考えることが出発点になります。
ただし、すべての学生ではなく、企業にとってターゲットとなる新卒学生「欲しい人材」を明確し、理解することから始まります。
また、同時にターゲット学生にとって意味のある「らしさ」を見つけ出すためには、企業側の理解を多角的に深めることが不可欠となります。
そこで私たちは、「主観的分析」と「客観的分析」の両面から分析し整理を行います。
まず行うのが、経営陣へのインタビューを通じた主観的な分析です。
なぜこの事業を行っているのか
どんな価値観や判断基準を大切にしているのか
これからどんな会社でありたいのか
こうした経営の思想や想いは、企業の「らしさ」を形づくる重要な要素になります。
次に、人事担当者や各部署の現場メンバーとともに、フレームワークを用いたワークショップを行います。
PEST、3C、SWOTといった視点を使いながら、企業を取り巻く環境や競争状況、組織の強み・課題を整理します。
ここで重視するのは、理想論ではなく、実際の事実や現場感覚です。
主観的分析と客観的分析を突き合わせながら、企業としてのブランドアイデンティティや「らしさ(魅力・強み)」を整理していきます。
そのうえで初めて、
この「らしさ」は、どんな新卒学生にとって意味を持つのか
どんな期待感情につながるのか
という学生視点での設計に進みます。
採用ブランディングは、学生主体で考えながらも、企業の内側を丁寧に掘り下げることで成り立つ取り組みです。
新卒学生がどのような不安や期待を抱き、どのような基準で企業を見ているのかを理解することは、採用ブランディングを考えるうえで欠かせません。
ブランドデザイン社では、採用ブランディングを「手順」ではなく、企業の「らしさ」と学生の期待感情をつなぐ思考の流れとして設計していきます。
その全体像は、次のように整理できます。
ターゲットとなる新卒学生の理解
自社の「らしさ(魅力・強み)」の整理
学生の文脈に合わせた伝え方の設計
採用活動全体への落とし込みと改善

採用ブランディングが機能し始めると、新卒学生の行動や反応に変化が現れます。
志望動機が表面的な言葉で終わらなくなる
説明会や面談での質問が具体的になる
内定後も意思が揺らぎにくくなる
これらはすべて、企業の「らしさ」に対してワクワクした期待感情が育っているサインです。
その結果として、志望度の向上や内定辞退の減少、入社後の納得感の向上など、採用活動全体の安定にもつながっていきます。
採用ブランディングによって、企業と学生の関係性がどのように変わっていくのかは、実際の設計プロセスをイメージすると理解しやすくなります。
現在の新卒採用市場では、
情報量が非常に多い
企業間の条件差が見えにくい
学生が短期間で多くの企業を比較する
といった環境が当たり前になっています。
その結果、新卒学生は「よく分からない会社」「違いが見えない会社」を、無意識のうちに選択肢から外していきます。
採用ブランディングは、この状況の中で企業の「らしさ」を明確にし、記憶と感情に残る存在になるための考え方です。
採用ブランディングとは、
企業の「らしさ」を明確にし、新卒学生がそこにワクワクした期待感情を抱き、「この会社に入りたい」と思っている状態をつくること。
施策や表現は、その結果として生まれます。
まず向き合うべきなのは、企業としてどんな存在でありたいのか、それを新卒学生にどう受け取ってほしいのかという問いです。
採用ブランディングは、新卒採用を「数合わせ」ではなく、未来の仲間づくりに変えていくための考え方だと言えるでしょう。
