今回のテーマは「ブランドのメリット」についてです。
「ブランド」については、以前に書いた『ブランドってなに?わかりにくい「ブランド」の意味を簡単に整理してみました!』で説明していますので、詳細は割愛させていただきます。
企業の多くの方は「ブランドは本当に役に立つの?」とか「時間や手間もかかるのに本当に必要なの?」という疑問を持っていると思います。
なぜ「ブランド」が必要なのでしょうか?
それは、「ブランド」が企業と生活者の両方をハッピーにできるものだからです。
では具体的にどんなハッピーがあるのか、ブランドが生み出す「ハッピー=メリット」を企業と生活者のそれぞれの視点から説明していきます。
企業は、生活者に商品を買ってもらいたいと思っています。より多く買ってもらう一番早い方法が「値引き」です。ただ、この場合利益率が下がるため、たくさんの商品を売らなければいけないという状況に陥ります。そうなると「この商品はいつも値引きする」というイメージを生活者がもつことになり、安い時にしか売れなくなってしまうという負のスパイラルに落ち込んでしまいます。
しかし、その商品にブランド価値があれば、状況は一転します。ブランド価値によって、時間や対価を払ってでもその商品を欲しいと生活者に思ってもらうことができれば、値引きをしなくても商品を買ってもらえるようになります!
この点が、企業にとって一番のメリットかもしれませんね。
これもブランドの大きな恩恵です。
ブランドのファンになった生活者は、「この商品のココが好き!」などのこだわりを持つことが多いです。そのため、たとえ他社で同様の商品が安く売っていたとしてもブランドへの愛着があるため、そのブランドを選んでリピート購入してくれます。
生活者がブランドのファンになると、SNSなどでブランドのことをシェアしてくれるようになります。つまり、いろいろなメディアに無料でブランド情報が掲載され、他の生活者の目に触れる機会が増えます。
生活者が自らブランドの広告塔として無償で活動してくれるのです。このようなコアなファンを増やすことで、各媒体での露出度は増え、広告費を削減することも可能になります。
人気ブランドがある企業で働いている社員は、そのことを自慢に思うと同時に、ステータスを感じ、働くモチベーションを上げていきます。この状態が会社の生産性向上へとつながる好循環を生み出していきます。
強いブランドがある企業は、上記で書いたようなメリットがあるので安定した売上が保て、優良な企業であるといういいイメージを求職者に与えることができます。ののことで、その企業で働きたいという就業意識が高まり、応募数も増加します。応募者の母集団が多いほど、欲しい人財を採用できる確率が高まります。いい人財が集まれば、更に強固なブランドを構築でき売上にも寄与することに繋がります。
では、次に生活者側からみた「ブランド」のメリットについて
モノや情報があふれる中で、生活者が自分に合う商品を選ぶには多大な労力を費やすことになっています。そこで、役立つのが「ブランド」です。
生活者はブランドがあることで、商品選択を時間をかけず、また他社商品などに迷わされずに選ぶことができます。
ブランドによる品質の保証はもちろんのこと、過去にブランドによる満足体験があれば、失敗を恐れることなく安心して商品を購入できます。
他の商品にはない「ブランド価値」があるので、生活者自身が満足するのはもちろん、他の生活者に対し優越感をもつこともできます。
残念ながらブランドを短期間で築きあげることは難しいです。
ただ、1度作り上げたブランドを育てていくことで長期にわたり、生活者の心をつなぎとめる武器になります。
また、ブランドを通じて生活者とコミュニケーションを継続的にとることにより、さらなる強固な関係性を築くことができ、商品購入へのアドバンテージを生み出します。
ブランドがなくても商品を売ることは可能です。でも、ブランドがあれば、企業は多くのメリットを得ることができるとともに、生活者にもメリットを与えることができるのです。
皆さんもブランドを通して、企業と生活者の両方をハッピーにしませんか?